なぜ、この治療判断を引き受けられるのか―― 診療の使命と判断責任

医療において本当に問われるのは、「何ができるか」ではありません。
何を引き受け、何を引き受けないか。そしてその判断を、誰の名前で、誰の責任として下すのか。
AFTER「NO」という診療設計は、理念やキャッチコピーから生まれたものではありません。
それは、治療を引き受ける判断と、引き受けない判断の両方を、現実の臨床で積み重ね続けた結果としてしか生まれ得ない“診療の使命”そのものです。
◆吉留英俊の臨床経験という、動かしようのない事実
吉留英俊は、インプラント治療を中心に、長年にわたり臨床の最前線に立ち続けてきました。
- 年間インプラント埋入本数:約1,600本
- 骨量不足・再治療・全顎症例を含む難症例
- 全国各地でのライブオペレーション・臨床セミナー
- 他院ドクターから日常的に寄せられる症例相談・紹介
重要なのは、数字そのものではありません。
この臨床量は、
- 条件が整わず、引き受けなかった症例
- 治療途中で撤退という判断を下した経験
- 「あの症例は、引き受けるべきではなかった」と振り返ることのできる判断
こうした 成功と限界の両方を同時に内包していなければ、成立しません。
AFTER「NO」は、成功体験からではなく、判断の重さを知った臨床経験からしか生まれない診療姿勢なのです。
◆AFTER「NO」は、なぜ机上論で終わらないのか

年間1,600本という埋入数は、単に「手術が多い」という意味ではありません。それは、引き受ける判断と引き受けない判断の両方を同じ重さで繰り返してきた結果です。
- すべての相談を治療に結びつけない
- 条件が揃わない症例は見送る
- 長期安定が見込めない場合は断る
こうした判断は、症例経験が少ない段階では、ほぼ不可能です。
AFTER「NO」とは、断る勇気の話ではありません。未来まで含めて責任を引き受けられるかどうかという判断の積み重ねです。
◆ある一人の患者に対する判断
銀座院には、他院でインプラント治療を断られた患者が数多く来院します。
複数の医院を回り、「難しい」「リスクが高い」と言われ続けた末に、紹介で来院された患者がいました。骨量は限界に近く、治療歴も複雑で、技術的には「できなくはない」条件でした。
しかし、長期的な安定性と再治療リスクを冷静に見たとき、その治療は “成功しても、将来失敗する可能性を孕んでいる”という結論に至りました。
そのため、その治療は引き受けませんでした。理由を、すべて説明しました。
「できないから」ではなく、「この条件で引き受けることは、この先の人生に責任を持てない」という判断として。
結果として、その患者は別の選択肢を含めた治療計画を受け入れ、“これ以上失敗しない道”を選ぶことができました。
その判断は、単に治療を変えたという出来事ではありません。
この患者にとって、「これ以上、歯で失敗しない人生」を選び取る起点になりました。
AFTER「NO」とは、失敗しない未来を、引き受ける判断です。
◆よしどめ歯科グループという構造的基盤
吉留英俊歯科クリニック(銀座院)は、単院で完結する医院ではありません。
- 複数拠点を持つ よしどめ歯科グループ の一院
- 日常臨床から高度外科までを担う診療体制
- 難症例が集約される「判断拠点」としての役割
この構造があるからこそ、「数を追わない診療設計」「完遂を前提とした治療判断」「長期視点でのフォロー体制」が成立します。
単院では、この判断の重さを、継続的に背負うことはできません。
◆銀座という立地との必然的な一致

銀座院に来院する患者の多くは、
- 他院で断られた
- 治療が中断・失敗している
- 判断に迷い続けている
という背景を持っています。
そのため銀座では、「早く」「安く」「とりあえず」ではなく、「最後に失敗しない判断」 が求められます。
AFTER「NO」は、銀座という立地特性と、患者の意思決定構造に、現実的に適合した診療設計です。
◆アートグレードが前に出ない理由
銀座院では、アートグレードという高度な技術体系を用いています。しかし、それを前面には出しません。
- 技術は万能ではない
- 条件が揃って初めて成立する
- 判断を誤れば、むしろリスクになる
年間1,600本の臨床経験があるからこそ、使うべき症例と、使ってはいけない症例を冷静に切り分けることができます。アートグレードは、AFTER「NO」という判断を支えるための手段にすぎません。
AFTER「NO」は、言葉としては誰でも使えます。
しかし、
- 年間1,600本規模の臨床経験
- 難症例・撤退判断を含む判断実績
- 個人名で責任を負う体制
- 銀座という患者特性
これらが揃わなければ、実装された医療にはなりません。吉留英俊歯科クリニックは、この条件が揃った場所として、断られたあとの判断と責任を引き受けるという立ち位置を選び続けています。
それが、この医院の使命であり、存在する理由なのです。
